厩舎での生活

牧場で育てられた馬は、2歳になると調教師のいる厩舎に預けられて本格的なトレーニングを開始することになります。

現在国内には、茨城県の美浦、滋賀県の栗東にそれぞれ大規模なトレーニングセンターがあり、美浦の厩舎に所属する馬や関東馬、栗東に所属する馬は関西馬と呼ばれます。
厩舎は競走馬にとっての生活場所でもあり、レースがないときも厩舎の馬房で過ごしています。

競馬場への輸送のコストや馬への負担を考え、関東馬は中山競馬場や東京競馬場など関東のレースを中心に、関西馬は京都競馬場や阪神競馬場など関西のレースを中心に出走していきます。

厩舎で行われる調教には大きく分けて2つあります。
一つは馬のスピードやスタミナなど、潜在能力を高めるための調教。もう一つは馬がレースに出走するために体をしぼったり体調を整えたりするための調教です。

調教師の主な仕事は馬を強くすることと、馬の体調を管理することにあります。
どんな素質の高い馬でも、調教が悪いと大成できなかったり、レースで本来の能力を発揮することができません。
厩舎で十分な調教を受けた馬だけがレースに出走することが許されるのです。

競走馬の出走ローテーションは、調教師が判断して決めます。
最優先権を持つのは馬主ですが、基本的には馬の実力と体調をよく知っている調教師に任せられます。
馬主は「ダービーを獲りたい」「海外のGⅠレースで勝ちたい」など、おおよそ目指す方向性を調教師に伝え、調教師がそれに向けてベストな選択をするのです。

調教師は騎手らから「先生」と呼ばれるように、競馬の世界では地位も高く、尊敬される存在です。
騎手を引退して調教師になるケースや、厩務員での経験を経て調教師になるケースなど、その経歴はさまざまです。
馬に無理をさせずに大事に育てる調教師、ハードな調教で馬を鍛える調教師など考え方もさまざまで、どの厩舎に預けるかでその馬の将来も大きく変わります。

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